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遺産に債務がある場合の相続の解決事例
1 事案の内容
依頼者は配偶者を亡くし、相続が開始したところ、被相続人である配偶者には信販会社等の借金があることが判明し、他の相続財産には不動産があったものの、どのように対応することが最もよいのかわからないため相談に来られました。法定相続人は依頼者本人と子ども2人の3人でした。
2 事案の分析及び解決方法
依頼者に事実確認をすると、亡くなった配偶者だけでなく、依頼者本人も複数の債権者からの借り入れがあり、両者合わせて数百万円程の負債がありました。プラスの相続財産としては不動産があり、依頼者が居住していました。依頼者は引き続き不動産に居住したいとの意向でしたので、依頼者が債務も含めて相続することにしました。ただ、子ども2人のいずれもが相続放棄をすることも考えられるのですが、子ども二人が相続放棄をすると被相続人の兄弟姉妹が法定相続人となる事案でしたので、この点を回避するため子どものうち1人が相続放棄することにしました。
依頼者ともう一人の子と遺産分割協議を行い、依頼者が負債を含めてすべての遺産を相続するとの内容の分割協議を成立させました。
その後、依頼者と被相続人の債権者及び依頼者が借り入れた債権者との間で交渉し、分割払いを行っていくとの債務整理を行いました。もちろん、相続財産としての負債については遺産分割協議により法定相続人の一人が相続するとしても、債権者には対抗できませんが、実際には債権者は依頼者が今後、分割で支払っていくとの債務整理には応じてくれました。
3 まとめ
本件は依頼者が不動産に引き続き居住する意向を持ち、相続した負債については長期の分割であれば返済していくことができる収入があったことから、相続放棄、遺産分割、債務整理を組み合わせて処理を行いました。また依頼者の意向が明確であったので、比較的な短期間ですべての手続を終了することができました。
相続や遺産分割のことでお悩みの場合は、是非、アーツ綜合法律事務所へご相談下さい。

「信頼してくれる人のために応える。」を理念に、当事務所は20年以上の実務経験を持つ弁護士が、京都の皆様の相続問題を全力でサポートいたします。遺言書作成、複雑な遺産分割、遺留分請求、相続手続きなど、豊富な実績と訴訟実務への精通を活かし、最適な解決を目指します。
法律的なことは難しく感じるかもしれませんが、ご安心ください。弁護士が懇切丁寧にお話を伺い、できる限りわかりやすい言葉でご説明することを徹底しております。また、ご来所が難しい方には出張相談も承っております。
まずは一歩踏み出して、お気軽にお問い合わせください。経験豊富な弁護士が親身に対応いたします。
節税のための養子縁組について
1 養子縁組の要件について
養子とは親子関係を出生という血のつながりではなく、当事者の意思により生じさせる制度を言います。養子が成立するためには、形式的要件としては届出が必要ですが、実質的要件として縁組をする意思が必要となります(民法802条)。そして、養子縁組により親子関係が成立すると、養親が亡くなった場合、当然のことですが養子も相続人となります。
2 養子がいる場合の相続税の基礎控除額について
相続が発生した場合、遺産が多いと相続税を納めなければなりませんが、相続税の計算に当たり基礎控除が認められており、現行法では、3000万円に加えて600万円に相続人の数を乗じた合計金額の控除が認められております(相続税法15条1項)。例えば、相続人が3名の場合、基礎控除額は4800万円(=3000万円+600万円×3人)となります。
そうすると、遺産の多い人は、生前に自分の孫などを養子とすれば基礎控除額が増えることになりますので、節税のため養子縁組をして養子を増やそうとする人も出てくるかもしれません。しかしながら、この点については、相続税法上、被相続人に実子がいる場合は、相続税の計算上、相続人として数えられる養子は1人であり、被相続人に実子がいない場合には相続人として数えられる養子は2人となっております(相続税法15条2項)。つまり、相続税法上は、無制限に養子縁組をして養子を増やしても、基礎控除額として算入される養子を制限しております。
3 節税のための養子縁組は認められるのかどうかについて
では、そもそも節税のために養子縁組をした場合、果たして当事者間に縁組意思が認められるのでしょうか。
この点について、判例(最高裁平成29年1月31日・民集第71巻1号48頁)は「相続税の節税のために養子縁組をすることは、このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るものである。したがって、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。」と認定しております。つまり、節税目的があったとしても、養親子関係を生じさせる意思が併存している場合は養子縁組を行う意思はあるとしました。当然のことながら、単に節税のためだけに養子縁組を仮装した場合は養子縁組の意思は否定されることになります。
もっとも、注意すべきことは、節税目的のための養子縁組につき縁組意思が否定されなかったとしても、実際に基礎控除額が増えるかどうかは相続税法の規定によることになります。つまり、相続税を不当に減少させる場合には、養子を基礎控除額の算定の相続人入れることができなくなりますので(相続税法63条)、専ら節税目的のために養子縁組を行うことは止めた方が良いと言えます。
相続のことでお悩みや疑問がある場合は、初回相談は無料とさせていただいておりますので、アーツ綜合法律事務所までご相談下さい。

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相続放棄と空家の管理責任について
1相続放棄者の義務
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内であれば相続放棄をすることができます(民法915条1項・相続放棄をしたい方へ)。相続を放棄すれば初めから相続人とならなったものとみなされます(民法939条)。相続放棄が実際になされるのは、遺産に借金が多い場合、不動産などの資産があっても価値がない場合、相続争いに巻き込まれたくない場合などです。
ただ、相続放棄をしても遺産に不動産、預金通帳や動産がある場合、「その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけると同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」(民法940条1項)と規定されており、放棄した相続人には管理責任が課されております。通常であれば、第1順位の相続人である子が放棄した場合、その子が第2順位の両親や第3順位の兄弟姉妹の相続人に遺産を引き渡すまで管理責任が継続することになります。
では、第1順位である子の他に第2順位や第3順位の相続人がいない場合に、第1順位の子が相続放棄した場合、その子は遺産について管理責任を負担し続ける必要があるのでしょうか。
このような場合、最後の相続放棄者である子は遺産の管理責任を負い続ける必要があります。遺産の管理責任を免れるためには、相続放棄者が利害関係人として家庭裁判所へ相続財産管理人の選任の申立てる必要があります(民法952条)。もっとも、相続財産管理人の選任申立にあたっては、少なくない額の予納金を納めなければならず、この点が、相続財産管理人の選任を申し立てることを躊躇する原因となっています。
2相続放棄した遺産が空家である場合の問題
(1) 近隣住民等に対して生じる責任
遺産のうちに空家がある場合、前述しましたように相続放棄した者が最終放棄者である場合、遺産の管理責 任が継続することになります。このような状況において空家で火事が生じ近隣の建物に被害を被らせた場合や空家の瓦が落ちて近隣の建物に被害を与えた場合などは、相続放棄者が管理責任に基づく損害賠償責任を問われる可能性があります。相続を放棄したからという理由で、責任を免れることはできないといわなければなりません。
相続放棄者が管理責任を免れるには、前述しましたように相続財産管理人を選任して、空家を除却したり、売却するなどして処分してもらう必要があります。
(2) 行政に対して生じる責任
平成27年に空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、「空家法」といいます。)が制定され、行政も増え続ける空家対策に乗り出しております。
空家法で規定された施策のポイントは、行政において特定空家を認定し、特定空家の所有者や管理者に対し、除却、修繕などの周辺環境の保全を図るために必要な措置を助言、指導、勧告、命令することができます。
特定空家とは放置すれば倒壊の危険がある状態や衛生上有害となるおそれのある状態など、周辺の生活環境の保全を図るため放置することが不適切である状態の空家のことをいいます(空家法2条2項)。
所有者が行政の命令措置に従わなかった場合、行政が行政代執行法により除却などを行い、それに要した費用について所有者に対して納付命令を行います。
では、最後の相続放棄者は、倒壊等の危険がある空家に対して、行政から助言、指導、勧告、命令を受ける対象となるのでしょうか。つまり、放棄者自らの費用で除却する必要があるのでしょうか。最後の放棄者が放棄後も管理責任を負うとされていることから問題となります。
この点、管理責任を負う最後の放棄者についても空家法3条の適切な管理を行う努力義務を負いますが、前述した空家法14条の命令を受ける対象とはなりません。つまり、最後の相続放棄者は放棄した空家につき倒壊の危険があっても、行政の命令を受ける立場にはなく(但し、行政から助言、指導、勧告を受ける名宛人とはなります。)、最後の放棄者は自らの費用で除却する必要はなく、仮に行政が代執行に基づき建物を除却した場合でも、除却にかかった費用を納付する義務もありません。
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相続分の譲渡が贈与に該当する場合について
1 相続分の譲渡とは
父母の一方が亡くなり相続が開始した場合、残された配偶者や子どもたちなどの相続人の間で遺産分割協議が行われます。しかし、相続人の中には遺産は要らないので、遺産分割協議には参加したくないと考える者もいます。このような相続人が取りうる方法としては、相続放棄(民法939条・相続放棄をしたい方へ)と相続分の譲渡があります。
相続放棄とは、相続人が家庭裁判所に申し立てることによって相続を放棄する制度であり、放棄を申し立てて裁判所に受理されると、その相続人は初めから相続人とならなかったものとみなされます。一方、相続分の譲渡とは相続人の一人が、他の相続人や第三者に自らの相続分を譲渡することを言います。相続分の譲渡を定めた規定は民法上ありませんが、一般的に認められた手続です。また相続分の譲渡を前提とした規定が民法にはあります。相続分の譲渡は相続放棄と異なり、裁判所へ申し立てる必要はなく、譲渡当事者間で行うことができるので、よく利用されております。
相続分の譲渡が行われた場合、譲渡を認めたくない他の相続人は何らかの主張ができないのでしょうか。
まず、相続分の譲渡が第三者になされた場合には、譲渡人ではない他の相続人は譲渡された相続分の価額を支払った上で、自らがその相続分を譲り受けることができます(民法905条)。しかし、相続人間で相続分の譲渡が行われた場合、他の相続人は譲渡行為を阻止することはできません。
このように相続分譲渡がなされると、相続分を譲渡した相続人は、相続人ではなくなるので遺産分割協議に参加する必要がなくなり、相続分を譲り受けた相続人は、自らが取得する相続分が増えることになります。また、相続分を譲り受けたのが第三者であれば、第三者が他の相続人との遺産分割協議に加わることになります。
2 相続分譲渡が贈与に該当する場合について
相続分譲渡を受けた相続人は、被相続人が残した遺産からの取得分が増えるわけですが、他の相続人は相続分譲渡につき何らかの主張ができることがあるのでしょうか。
この点についての判例(最高裁平成30年10月19日判決・民集72巻5号900頁)があります。事案を簡略化しますと、まず父親の遺産相続の際に、二男が母親から相続分の譲渡を受けて、長女を含む他の相続人とともに遺産分割協議を成立させました。次に母親が亡くなり相続が開始した際に、父親死亡時に母親から相続分譲渡を受けた二男に対して、長女が相続分譲渡を受けた点について遺留分を侵害しているとして主張したのです。争点は、遺留分算定(遺留分侵害額の計算)にあたり、相続分譲渡が贈与として算定の基礎財産にあたるのかが問題となりました。
上記判例は、「共同相続人間においてなされた無償による相続分の譲渡は、譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産に価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるいえない場合を除き、上記譲渡をした者の相続において、民法903条1項に規定する贈与に当たる。」と認定し、相続人間の無償による譲渡が贈与にあたることを認めております。つまり、相続分譲渡を行った譲渡人が死亡し新たな相続が開始した場合、譲渡当事者ではない他の相続人は相続分を譲り受けた相続人に対して、特別受益や遺留分算定のための贈与に当たる旨主張することができることになります。
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被相続人死亡後、第三者から生前贈与を主張され訴訟で解決した事例
1事案の概要
本件は、被相続人が所有する自宅であり、同人の亡夫が生前経営していた会社の本店所在地ともなっていた土地建物につき、同社が既に休眠状態であるにもかかわらず、同社の取締役である被相続人の親族Aが使用しておりました。そのため、被相続人の子らから依頼を受けて、Aを相手方とする土地建物明渡し及び賃料相当損害金の請求をした事案です。Aからは、土地建物につき被相続人から生前贈与を受けたとして所有権移転登記手続請求がなされました。
2事案の特色
この事案では、被相続人の夫が亡くなった際に既に高齢であったにもかかわらず被相続人が名目上会社の代表取締役となっており、Aが会社に多額の貸付をしていたとのことで、事実上の休眠状態後も代表取締役から外してもらえず、会社の休眠手続もとってもらえない状態が続いておりました。
さらに、高齢で財産管理のできない被相続人の状態に乗じ、Aにより被相続人の自宅を譲渡させられることを危惧した依頼者の一人が被相続人の成年後見申立を行い、自ら補助人となりました。しかし、その間、被相続人は自宅の所有権をAの子に譲渡する売買契約書とともに、Aに対する高額な借金があること、その借金額を売買代金にあてることなどの覚書まで署名させられてしまっており、依頼者にとっては不利な状況となっておりました。
3交渉及び訴訟
まずは親族間のことでもありましたので交渉から入りましたが、Aは土地建物の明渡しを頑なに拒否し、会社の清算手続にも全く協力してもらえませんでした。
そのため、Aを取締役から解任した上で、依頼者が代表取締役に就任して会社の休眠手続をとることから始めました。
その後、訴訟提起しましたが、Aからは被相続人が署名した売買契約書や覚書、利害関係のないはずの被相続人の友人複数人の証言等の証拠が提出されました。そのため、こちらもAから提出された証拠を一つ一つ精査するとともに証拠収集を行い、証人を確保することで、尋問等を経て一審では勝訴判決を得ることができました。Aから控訴されましたが、控訴審では一審を前提とした勝訴的和解ができ、Aから土地建物を円満に明け渡してもらった上で、解決金の支払いを受けることで無事解決することができました。
4結語
本件は依頼者にとって不利な証拠があり、状況的には厳しいものがありましたが、証拠集めも含め依頼者とともに粘り強く行い戦い抜いた結果、勝訴的解決に結び付くことができました。依頼者にも大変満足していただきました。
相続、遺産分割などでお困りの方は、当事務所までお早めにご相談下さい。

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遺産調査の上、時効を援用し、成年後見人を選任した上で遺産分割協議を成立させた解決事例
1事案の概要
依頼者の叔母(被相続人)が亡くなり,依頼者の両親が既に亡くなっていたため依頼者とその妹が相続人となった代襲相続の事案となります。
依頼者は、叔母の財産状況を全く把握しておりませんでした。確認したところ、叔母が居住していた建物の底地は祖父母名義のままであり、叔母の水光熱費電話代等の未払いがあること、叔母にその他の債務の存在がうかがわれる郵便物がありました。さらに妹が障害を有し、施設に入所しており、妹の財産も叔母に管理してもらっていたため、妹の施設費用等が未払いになっていることや今後の同費用等の支払いの管理についても不安がありました。
2弁護士による対応-債権調査、相続放棄期間伸長、成年後見人の選任
叔母の相続につき放棄をするか否かを検討する必要がありますので,叔母の債務の存在が疑われる郵便物一式から債権調査を行ないました。叔母の借金が多額であれば相続放棄をしなければなりませんが、相続放棄は原則として叔母の死亡から3ヶ月以内に行う必要があります。
しかし、3ヶ月では遺産の全容が明らかにならないため、相続放棄期間伸長の申立を行ないました。さらに,施設で妹本人と面会した上で施設長及び担当の方から説明を受けて状況等の確認を行った上で、成年後見の申立を行い、成年後見人を選任してもらいました。
3弁護士による対応-時効の援用、遺産分割協議、不動産売却手続
その後の債権調査で,叔母の債務の多くが消滅時効にかかっていることが判明したことから各債権者に対して、内容証明郵便にて消滅時効の援用を行ないました。
叔母が居住していた建物及び底地については隣地の方が購入を希望したことなどから依頼者は相続することとし、妹の成年後見人とともに遺産分割協議を成立させました。その後、隣地の方と間で不動産売買契約を行ない、不動産売却手続を行いました。
そのため,依頼者はその売却代金で,叔母の残った債務等一切を清算しその余剰を得るとともに,妹に成年後見人が選任されたことで,未払いとなっていた妹の施設費用等も,妹が取得した遺産により解消され,今後の妹の費用の支払い等の心配もなくなりました。
4雑感
本件は、共同相続人である妹に成年後見人が必要となる事案であったこともあり、成年後見の申立を行うことで妹の今後の心配についても解消できました。また、依頼者が財産状況を把握していなかった被相続人である叔母の財産につき、相続放棄期間伸長の申立を行うことで、その調査も時間をかけて行うことができました。
本件は遺産分割までには様々な手続きが必要となりましたが、各手続を経ることで財産状況をしっかり把握した上で熟慮することができ、叔母の債務についてもその多くを消滅時効を援用することでマイナスの財産も最小限にすることができました。最終的には叔母の不動産を売却できたことで妹の施設費用の未払分も支払うことができ、依頼者にとっても良い結果となりました。
5結語
当初は債務超過の可能性があり相続放棄も検討しましたが、遺産調査をすることで時効の援用が可能であることが判明し、相続放棄をする必要がなくなりました。最終的には不動産を売却することで、依頼者はプラスの財産を得ることができたので満足していただけました。
相続、遺産分割、相続放棄などでお悩みの方は当事務所までご相談下さい。

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使途不明金を明らかにした上で遺産分割協議を成立させた解決事例
1事案の概要
依頼者の父親が亡くなり相続が開始したのですが、父親の遺産を管理していた相続人が遺産の開示に応じないため、相続人の一人である依頼者が相談に訪れました。依頼者から話を聞くと遺産はほとんどが預金であったため、依頼者に取引履歴を取得してもらい、内容を確認したところ預金残高がほとんどなく、不自然な出金が多数認められました。このままでは依頼者が取得できる遺産はほとんどありませんでした。
2弁護士による対応
当事務所が依頼者の代理人として遺産を管理していた相続人と交渉を始めました。管理相続人に対してはすべての遺産の開示ととももに、相続開始時点で遺産がほとんどない状況の説明を求めました。管理相続人からは①公正証書遺言があること②依頼者へ生前贈与がなされていること。③自らが父親の療養看護を行ってきた旨の主張がなされました。
そこで公正証書遺言の内容を確認するとともに、医療機関から父親のカルテを取り寄せ、遺言書の作成時期や使途不明金の出金時期の検討及び特定を行いました。そして、遺言執行者や管理相続人の代理人と交渉を行い、使途不明金の使途及び証拠の提出を求めました。このような交渉を繰り返すことにより、結果的に数千万円程の金額を遺産に持ち戻すことができました。
結果として、依頼者は管理相続人との間で持ち戻した遺産の内容で遺産分割協議を成立させ、遺言に基づく具体的相続分を取得しました。
3雑感
本件では相続人間の感情的な対立が激しく、遺産の開示が円滑に行われませんでした。また相続開始に至るまでに多額の使途不明金があったので、当方からはこれらの使途不明金を特定し、使途や証拠の提出を繰り返し求めました。このように根気よく丁寧に交渉を進めていった結果、法的手続を経ることなく無事に解決することができました。このように解決向けて根気よく交渉していくことが重要であることを改めて認識させられた事案でした。
4結語
本件では依頼者も当初想定していた金額よりも多くの額を取得することで解決できたので、満足していただけました。
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ホームページをリニューアルしました。
この度、相続相談のホームページをリニューアルいたしました。
今後、皆さまに相続に関する様々な情報を発信していきますのでよろしくお願いいたします。

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