遺産分割協議が整わないとき

●裁判所による遺産分割

遺産分割協議がまとまらない場合には、最終的に、被相続人の最終住所地を管轄する家庭裁判所に遺産分割調停申立を行い、調停や審判を経て、裁判所による遺産分割を行います(遺産分割協議について」をご参照下さい)。

遺産分割調停は、家庭裁判所の調停委員会に入ってもらい、当事者である申立を行った相続人及び申し立てられた相続人の主張を交互に聞いてもらう方法で話合いが行われますので、感情的な対立を避けた話合いが期待できます。相続人全員が合意できれば調停条項が作成され調停が成立しますが、合意できなければ調停は不調となり、審判手続に移行します。

審判手続きに移行すると、家庭裁判所の審判官(裁判官)が各当事者の主張と証拠を検討した上で、遺産分割方法を決定する審判が行われます。審判が行われると審判書が送られてきますので、審判の内容に不服がある場合には、審判書を受け取ってから2週間以内に即時抗告の申立をする必要があります。即時抗告の申立をしない場合には2週間の経過により審判は確定します。

 

●遺産分割調停の流れ

遺産分割調停においても、遺言書の有無、相続人の範囲、遺産の範囲、分割協議書の有無等にいては前提問題として確認されます。遺産の評価については、例えば不動産の評価について当事者間で合意できない場合、鑑定を行うことができます。ただし、鑑定費用は当事者において負担する必要があり、事案によっては高額になることもあります。遺産の評価が決まれば遺産の総額が決まります。

次に、各相続人の取得分を協議します。遺産分割は、基本的には法定相続分に応じて各相続人の取得分が決まりますが、法定相続分を修正する「特別受益」「寄与分」があります。

「特別受益」とは、相続人が、被相続人から生計の資本として生前に受けた財産などを言い、生前に遺産の前渡しとなるような多額な贈与を受けた者がいるときに、その贈与の額を相続財産に加算し遺産の分割を行います。

「寄与分」は、相続人が被相続人の遺産の維持又は増加について特別な貢献をした場合に認められるものです。いずれも各相続人の公平を図るためのものですが、各相続人の最終的な取得分に影響を与えるため、相続人間で争いになることも多く、認められる範囲も限定的である上、立証も容易でないことも少なくありませんので、弁護士の介入により適切な証拠収集及び主張を行っていくことをお勧めします(遺産分割協議を弁護士に依頼するメリット」をご参照ください)。

さらに、最終的な取得分について協議した後、具体的にどのような分割方法で分割するかにつき協議します。分割方法は、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4つの方法があります。どの分割方法でも注意点がありますので、弁護士の介入により適切な分割方法の見極めや主張及び立証が可能です(遺産分割の方法」をご参照下さい)。

 

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