Archive for the ‘解決事例’ Category

被相続人死亡後、第三者から生前贈与を主張され訴訟で解決した事例

2020-07-08

1事案の概要

 本件は、被相続人が所有する自宅であり、同人の亡夫が生前経営していた会社の本店所在地ともなっていた土地建物につき、同社が既に休眠状態であるにもかかわらず、同社の取締役である被相続人の親族Aが使用しておりました。そのため、被相続人の子らから依頼を受けて、Aを相手方とする土地建物明渡し及び賃料相当損害金の請求をした事案です。Aからは、土地建物につき被相続人から生前贈与を受けたとして所有権移転登記手続請求がなされました。

2事案の特色

 この事案では、被相続人の夫が亡くなった際に既に高齢であったにもかかわらず被相続人が名目上会社の代表取締役となっており、Aが会社に多額の貸付をしていたとのことで、事実上の休眠状態後も代表取締役から外してもらえず、会社の休眠手続もとってもらえない状態が続いておりました。

 さらに、高齢で財産管理のできない被相続人の状態に乗じ、Aにより被相続人の自宅を譲渡させられることを危惧した依頼者の一人が被相続人の成年後見申立を行い、自ら補助人となりました。しかし、その間、被相続人は自宅の所有権をAの子に譲渡する売買契約書とともに、Aに対する高額な借金があること、その借金額を売買代金にあてることなどの覚書まで署名させられてしまっており、依頼者にとっては不利な状況となっておりました。

3交渉及び訴訟

 まずは親族間のことでもありましたので交渉から入りましたが、Aは土地建物の明渡しを頑なに拒否し、会社の清算手続にも全く協力してもらえませんでした。

 そのため、Aを取締役から解任した上で、依頼者が代表取締役に就任して会社の休眠手続をとることから始めました。

 その後、訴訟提起しましたが、Aからは被相続人が署名した売買契約書や覚書、利害関係のないはずの被相続人の友人複数人の証言等の証拠が提出されました。そのため、こちらもAから提出された証拠を一つ一つ精査するとともに証拠収集を行い、証人を確保することで、尋問等を経て一審では勝訴判決を得ることができました。Aから控訴されましたが、控訴審では一審を前提とした勝訴的和解ができ、Aから土地建物を円満に明け渡してもらった上で、解決金の支払いを受けることで無事解決することができました。

4結語

 本件は依頼者にとって不利な証拠があり、状況的には厳しいものがありましたが、証拠集めも含め依頼者とともに粘り強く行い戦い抜いた結果、勝訴的解決に結び付くことができました。依頼者にも大変満足していただきました。

 相続、遺産分割などでお困りの方は、当事務所までお早めにご相談下さい。

 

遺産調査の上、時効を援用し、成年後見人を選任した上で遺産分割協議を成立させた解決事例

2020-07-02

1事案の概要

 依頼者の叔母(被相続人)が亡くなり,依頼者の両親が既に亡くなっていたため依頼者とその妹が相続人となった代襲相続の事案となります。

 依頼者は、叔母の財産状況を全く把握しておりませんでした。確認したところ、叔母が居住していた建物の底地は祖父母名義のままであり、叔母の水光熱費電話代等の未払いがあること、叔母にその他の債務の存在がうかがわれる郵便物がありました。さらに妹が障害を有し、施設に入所しており、妹の財産も叔母に管理してもらっていたため、妹の施設費用等が未払いになっていることや今後の同費用等の支払いの管理についても不安がありました。

2弁護士による対応-債権調査、相続放棄期間伸長、成年後見人の選任

 叔母の相続につき放棄をするか否かを検討する必要がありますので,叔母の債務の存在が疑われる郵便物一式から債権調査を行ないました。叔母の借金が多額であれば相続放棄をしなければなりませんが、相続放棄は原則として叔母の死亡から3ヶ月以内に行う必要があります。

 しかし、3ヶ月では遺産の全容が明らかにならないため、相続放棄期間伸長の申立を行ないました。さらに,施設で妹本人と面会した上で施設長及び担当の方から説明を受けて状況等の確認を行った上で、成年後見の申立を行い、成年後見人を選任してもらいました。

3弁護士による対応-時効の援用、遺産分割協議、不動産売却手続

 その後の債権調査で,叔母の債務の多くが消滅時効にかかっていることが判明したことから各債権者に対して、内容証明郵便にて消滅時効の援用を行ないました。

  叔母が居住していた建物及び底地については隣地の方が購入を希望したことなどから依頼者は相続することとし、妹の成年後見人とともに遺産分割協議を成立させました。その後、隣地の方と間で不動産売買契約を行ない、不動産売却手続を行いました。

 そのため,依頼者はその売却代金で,叔母の残った債務等一切を清算しその余剰を得るとともに,妹に成年後見人が選任されたことで,未払いとなっていた妹の施設費用等も,妹が取得した遺産により解消され,今後の妹の費用の支払い等の心配もなくなりました。

4雑感

 本件は、共同相続人である妹に成年後見人が必要となる事案であったこともあり、成年後見の申立を行うことで妹の今後の心配についても解消できました。また、依頼者が財産状況を把握していなかった被相続人である叔母の財産につき、相続放棄期間伸長の申立を行うことで、その調査も時間をかけて行うことができました。

 本件は遺産分割までには様々な手続きが必要となりましたが、各手続を経ることで財産状況をしっかり把握した上で熟慮することができ、叔母の債務についてもその多くを消滅時効を援用することでマイナスの財産も最小限にすることができました。最終的には叔母の不動産を売却できたことで妹の施設費用の未払分も支払うことができ、依頼者にとっても良い結果となりました。

5結語

 当初は債務超過の可能性があり相続放棄も検討しましたが、遺産調査をすることで時効の援用が可能であることが判明し、相続放棄をする必要がなくなりました。最終的には不動産を売却することで、依頼者はプラスの財産を得ることができたので満足していただけました。

 相続、遺産分割、相続放棄などでお悩みの方は当事務所までご相談下さい。

 

 

 

使途不明金を明らかにした上で遺産分割協議を成立させた解決事例

2020-07-01

1事案の概要

 依頼者の父親が亡くなり相続が開始したのですが、父親の遺産を管理していた相続人が遺産の開示に応じないため、相続人の一人である依頼者が相談に訪れました。依頼者から話を聞くと遺産はほとんどが預金であったため、依頼者に取引履歴を取得してもらい、内容を確認したところ預金残高がほとんどなく、不自然な出金が多数認められました。このままでは依頼者が取得できる遺産はほとんどありませんでした。

2弁護士による対応

 当事務所が依頼者の代理人として遺産を管理していた相続人と交渉を始めました。管理相続人に対してはすべての遺産の開示ととももに、相続開始時点で遺産がほとんどない状況の説明を求めました。管理相続人からは①公正証書遺言があること②依頼者へ生前贈与がなされていること。③自らが父親の療養看護を行ってきた旨の主張がなされました。

 そこで公正証書遺言の内容を確認するとともに、医療機関から父親のカルテを取り寄せ、遺言書の作成時期や使途不明金の出金時期の検討及び特定を行いました。そして、遺言執行者や管理相続人の代理人と交渉を行い、使途不明金の使途及び証拠の提出を求めました。このような交渉を繰り返すことにより、結果的に数千万円程の金額を遺産に持ち戻すことができました。

 結果として、依頼者は管理相続人との間で持ち戻した遺産の内容で遺産分割協議を成立させ、遺言に基づく具体的相続分を取得しました。

3雑感

 本件では相続人間の感情的な対立が激しく、遺産の開示が円滑に行われませんでした。また相続開始に至るまでに多額の使途不明金があったので、当方からはこれらの使途不明金を特定し、使途や証拠の提出を繰り返し求めました。このように根気よく丁寧に交渉を進めていった結果、法的手続を経ることなく無事に解決することができました。このように解決向けて根気よく交渉していくことが重要であることを改めて認識させられた事案でした。

4結語

 本件では依頼者も当初想定していた金額よりも多くの額を取得することで解決できたので、満足していただけました。

 相続や遺産分割でお困りの方は当事務所へご相談下さい。

 

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