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●遺留分権利者とは
兄弟姉妹の相続人の留保された相続財産の一定割合をいいます。遺留分については「遺留分について」解説しておりますのでご参照下さい。
遺留分権利者は民法で次のとおりその範囲及び割合が定められております(民法1042条1項)。
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●遺留分の割合について
各個別の遺留分は、各相続人の法定相続分を乗じて計算することになります。
これだけでは、あまりよくわからないでしょうから事例で説明します。
1 直系尊属(父母のみ)が相続人の場合
父の遺留分 6分の1(=1/3×1/2)
母の遺留分 6分の1(=1/3×1/2)
父母どちらか1名の時の遺留分 3分の1(=1/3×1)
2 配偶者及び直系卑属(子1名)が相続人の場合
配偶者の遺留分 4分の1(=1/2×1/2)
子の遺留分 4分の1(=1/2×1/2)
3 配偶者と直系尊属(父母のみ)が相続人の場合
配偶者の遺留分 3分の1(=1/2×2/3)
父の遺留分 12分の1(=1/2×1/3×1/2)
母の遺留分 12分の1(=1/2×1/3×1/2)
父母どちらか1名の時の遺留分 6分の1(=1/2×1/3)
4 配偶者のみが相続人の場合
配偶者の遺留分 2分の1(=1/2×1)
5 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
配偶者の遺留分 2分の1(=1/2×1)
兄弟姉妹の遺留分 なし
6 配偶者及び直系卑属(子1名、代襲相続人1名)が相続人の場合
配偶者の遺留分 4分の1(=1/2×1/2)
子の遺留分 8分の1(=1/2×1/4)
代襲相続人の遺留分 8分の1(=1/2×1/4)
※代襲相続人とは相続人となる者が相続開始以前に死亡したりして、直系卑属が、その相続人に代わって、その者の受けるべき相続分を相続することをいいます。
このように遺留分を請求できる人や割合は民法によって定められておりますが、個別具体的な遺留分額の計算は、少し複雑ですので遺留分を請求できるのではないかと考えておられる相続人の方は、一度、弁護士へご相談されることをお勧めします。